


HTVは、国際宇宙ステーション(ISS =lnternatlonalSpaceStation)へ補給物資を輸送する宇宙機です。HTV自体は無人の宇宙機ですが、有人の宇宙ステーションに接近・接続するため、そのシステム設計には有人宇宙機に対する厳しい安全要求を盛り込んだ設計が必要となっています。
当社は、JAXAの実用衛星で培った推進系の技術を活かし、高い信頼性と安全性を持つ日本で初めての有人仕様の宇宙機推進系の製造/取り纏めを担当しました。HTV技術実証機は、2009年9月にH-IIBロケット試験機により打ち上げられ、計画されたミッションを無事に完遂しました。


当社では、JAXAとのスラスタの開発を元に、世界へ通用する製品を開発、販売しております。静止軌道投入用の500N級の推力を有するアポジエンジンは、現在、世界最高性能(燃費)を有しており、海外顧客からも高い評価を得ています。(2010年2月現在:衛星フライト実績 22N:30台、500N:17台、輸出実績 22N:44台、500N:31台)また、同型のエンジンは2008年2月に打ち上げられたWINDS(超高速インターネット衛星きずな)にも使用されており、今後、国内の実用静止軌道衛星に活用されていきます。



衛星の大型化に伴い軌道投入精度を向上させるため、固体燃料のアポジモータから液体燃料のアポジエンジンヘの切り替えが必要となっていました。当社では、この開発を行なってきましたが、液体エンジンは、1700N級のエンジンを開発したCOMETSに始まり、現在ではより使いやすい500N級のエンジンを開発、DRTS(データ中継技術衛星こだま)やSELENE(月周回衛星かぐや)およびWINDS(超高速インターネット衛星きずな)で使用されました。触媒分解スラスタや燃料タンクなどを組み合わせた、統合型推進系(UPS)としての設計・開発及び製造を行い、システムとしての検証も実施するなど、当社はコンポーネントだけではなくシステム設計が可能な会社として、成果は広く役立てられています。また、将来、月探査衛星(SELENE-2)の着陸機にも採用を計画しています。


軌道上に打ち上げられた衛星が、所定の高度や軌道を維持するために触媒分解スラスタが使われます。触媒分解スラスタは、燃料が触媒反応により分解・発熱して高温ガスが生成され、ノズルより噴出することで推力を得ています。当社では、1981年からの国内の実用衛星で多数使用されており、今後は海外への拡販も検討を進めています。推力レベルは1Nから50Nまで様々なバリエーションがあります。本スラスタと推薬タンクを主構成品としたRCSを搭載した例では、GOSAT(温室効果ガス観測技術衛星(写真参照〉)のRCSが、当社の最近の製品としてあります。

統合型推進系(UPS)や推進系(RCS)では、燃料を入れておくタンクが必要となりますが、無重力でもガスの混入なしに燃料を排出できるようにする必要があります。当社では、日本独自の技術を生かし内部デバイスを有したタンクの開発を実施し、様々な容量に対応したタンクの開発を実施し、様々な容量に対応したタンクを製造し、日本の実用衛星に1981年より搭載され、低軌道衛星、静止軌道衛星、月探査機に使用されています。
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